遺言

◇遺言とは

  遺言は、一定の方式に従った遺言者の死後の法律関係を定める最終

 意思の表示です(「有斐閣法律用語辞典」(第4版))。

  つまり、遺言者は、ご自身の死後、どのように財産を移転するかな

 どを遺言書で決めることができます。

◇遺言の内容

  遺言の内容は、財産の移転だけではなく、認知(民法781条2

 項)、推定相続人の廃除(893条)や保険金受取人の変更(保険法

 73条)などもできます。

◇遺言の種類

  遺言には、自筆証書遺言(民法968条)、公正証書遺言(969

 条)及び秘密証書遺言(970条)の普通の方式と死亡危急時遺言

 (976条)や在船者の遺言(978条)などの特別の方式がありま

 す。そのうち、当事務所では、普通の方式の自筆証書遺言と公正証書

 遺言を取り扱っております。

  そこで、自筆証書遺言と公正証書遺言のメリット・デメリットを紹

 介します。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言者がその全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならないとされています(民法968条1項)。

もっとも、不動産など相続財産が多い場合には、たくさんの文字を手書きすることになり大変です。

そこで、自筆証書と一体のものとして相続財産の目録を添付する場合には、その目録については手書きで書く必要がなくなります(968条2項)。

□自筆証書遺言のメリット

 ①いつでも書こうと思ったときに作成できる。

 ②費用がかからない。

■自筆証書遺言のデメリット

 ①方式に決まりがあり、失敗することがある。

 ②保管場所を忘れたり、相続人が知らない場合には発見されないことがある(法務局で保管する制度があります)。

 ③遺言者が死亡した後、家庭裁判所で検認する必要がある(民法1004条1項)。

公正証書遺言

公正証書遺言は、公証役場で公正証書によって遺言書を作成する方式(民法969条)で、自筆証書遺言のように手書きでの作成は不要です。

証人2人以上の立ち会いのもと、遺言者が公証人に遺言の趣旨を伝えることにより作成できます。

□公正証書遺言のメリット

 ①遺言の作成に手書きが不要である。

 ②正確に遺言を作成できる。

 ③原本が公証役場に保管されるため、安心である。

 ④遺言者が死亡した後の家庭裁判所の検認が不要である(1004条2項)。

■公正証書遺言のデメリット

 ①公証人手数料がかかる。

 ②公証役場の予約が必要で、いつでも作成できるわけではない。


まつもと法律事務所

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弁護士 松本 慶信 (登録番号第63829号)奈良弁護士会所属

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